2016年 キネマ旬報 日本映画ベスト・テンの感想

2016年日本映画ベスト・テンの感想 | キネマ旬報

日本映画ベスト・テン

映画の賞の中で一番楽しみにしている、「キネマ旬報ベスト・テン」が1月10日に発表されました。

1位の『この世界の片隅に』は、クラウドファンディングを活用したり、日本映画では画期的な独立系映画です。
予算的に厳しかったと思いますが、素晴らしい作品が評価されて嬉しいです。
毎週興行成績がベスト・テン作品の週間公開館数は300館以上の作品ばかりなのですが、『この世界の片隅に』は、SNSなどのネットでの圧倒的な高い評価で週間公開館数は100館にも届かないのに毎週ベスト・テンにランクインしているのは、やはりこの作品の凄さです。
21世紀を代表する「戦争アニメ映画」といっても過言ではないでしょう。
残念ながらこの作品が、昨年は殆どメディアに取り上げられなくて残念でした。

2位の『シン・ゴジラ』は、票を伸ばした印象です。
詳細はまだわかりませんが、多くの人がランクインしていた作品なのかもしれません。

4位の『ディストラクション・ベイビーズ』は個人賞にも、主演男優賞の柳楽優弥さん・新人女優賞の小松菜奈さん・新人男優賞の村上虹郎さんが受賞されている事でもわかるように、多くの人から高い評価を得た作品だと思います。
『シン・ゴジラ』は票数を『ディストラクション・ベイビーズ』は高評価をする傾向が多かったのではないでしょうか。

個人的に2016年の邦画で一番良かった『オーバー・フェンス』は9位と票を伸ばせませんでした。
5位以内には入ると思っていましたが意外でした。

予想はしていましたが、200億円突破の大ヒットした『君の名は。』がランク外は残念でした。
撮影技法が違うので、アニメ映画は「アニメ映画ベスト・テン」と別にランキングしてほしいです。

個人的サプライズは、8位の『クリーピー 偽りの隣人』。
ベスト・テンの作品では、『クリーピー 偽りの隣人』は、正直意外ですが、それ以外は大体納得のいくラインナップです。
ただ、これらの作品は、多くの人が既に評価している作品なので、昨年3位の『ハッピーアワー』のような良い意味でのサプライズがなかったのが少し残念です。

作品賞と個人賞(主演・助演・新人賞)はある程度順位に関連する事が多いですが、2016年は1位~3位までの作品から役者が個人賞を受賞しなかったケースは珍しいのではないでしょうか。
4位の『ディストラクション・ベイビーズ』は3名、7位の『湯を沸かすほどの熱い愛』は2名、5位の『永い言い訳』から1名選ばれていることから、『湯を沸かすほどの熱い愛』は、票が伸びなかったと思いました。
作品は素晴らしかったのですが、多少内容を詰め込み過ぎた事が影響したかもしれません。

2015年も感じましたが、投票者の年齢が少し高いイメージがします。

2016年 日本映画ベスト・テン 作品賞

1位:この世界の片隅に
2位:シン・ゴジラ
3位:淵に立つ
4位:ディストラクション・ベイビーズ
5位:永い言い訳
6位:リップヴァンウィンクルの花嫁
7位:湯を沸かすほどの熱い愛
8位:クリーピー 偽りの隣人
9位:オーバー・フェンス
10位:怒り

2016年2016年 キネマ旬報ベスト・テン 個人賞

主演女優賞:宮沢りえ 『湯を沸かすほどの熱い愛』
主演男優賞:柳楽優弥 『ディストラクション・ベイビーズ』
助演女優賞:杉咲花 『湯を沸かすほどの熱い愛』『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』
助演男優賞:竹原ピストル 『永い言い訳』
新人女優賞:小松菜奈 『溺れるナイフ』『ディストラクション・ベイビーズ』
新人男優賞:村上虹郎 『ディストラクション・ベイビーズ』『夏美のホタル』
監督賞:片渕須直 『この世界の片隅に』
脚本賞:庵野秀明 『シン・ゴジラ』
外国映画監督賞:クリント・イーストウッド 『ハドソン川の奇跡』

Posted by KINENOTE