長岡花火2019 花火批評(8月2日・初日)

長岡花火2018 2018.8.2

長岡花火2019 8月3日

長岡花火2019の初日を右岸ベンチ席Dで観覧しました。
ビッグプログラムのミュージックスターマインは、毎年安定して素晴らしく、最新技術の花火を大いに堪能しました。(下記の「ビッグプログラム」に詳細)
「フェニックス花火」「正三尺玉」「故郷はひとつ」の間の通常プログラムでは、〈トラ〉〈花雷〉〈ヤシ〉〈蜂〉〈分砲〉を効果的に取り入れた、趣向を凝らしたプログラムで、中でも分砲系のクロセットの連発が印象的でした。ただ、会場全体が花火の火力にマヒしてマンネリ化した時間が若干あったので、型物花火のような一喜一憂するアクセスントが欲しいかったです。リング以外の型物花火が殆ど無いことも意外でした。

ビッグプログラム

ナイアガラ超大型スターマイン(オープニング花火)

曲が変わって歌を付けたことで新鮮味があり、イメージも変わることに。歌は地元の小学生らしいが、参加することで思い出になるし、花火の伝承にもなり好感。歌う小学校を順番に変えたり、曲も毎年変えても良いのでは。
POPでライトな曲だが、オープニングはこれぐらい軽めの方が、万人に受け入れやすいし、時差式花火やパステルカラーとの相性も良い。重厚な曲ばかりだと飽きると思うし。
オープニング花火なので、最大の問題は背景の明るさに。去年とは違い、今年は結構暗かったので、野村さんやマルゴーさんの玉も綺麗に見えて良かったが、明るいと魅力が半減し、勿体ない感が沸き起こり、捉え方がまるで違うことになることがネックなのだが。

天地人花火(野村花火工業)

大まかなフォーマットは例年と一緒だが、トレンドである「八方咲」の進化型を取り入れる抜かりなさや、トラの工夫が印象的に。和火と洋火のコントラストが特徴的で、吟味された細かな構成や様々な花火を取り入れることで、花火の進化を感じことも。今年の大曲花火の自由玉部門に、そのまま登場しそうな新作花火に心躍らせる。
惜しみない種類や色の花火を披露すると、構成に若干影響するが、それでも〈多重芯変化菊〉の綺麗さ、〈八方咲〉〈万華鏡〉などの完成度が高く、真円に近い盆の美しい花火が矢継ぎ早に開くことは、野村花火ならではに。重厚な花火と音楽とのマッチさは抜群に良く、格調高い花火に多幸感を感じることに。来年は〈赤+オレンジ〉と〈青+緑〉のシンプルなコントラレスを基軸とした天地人が見てみたい。

フェニックス花火

毎年、細かに吟味された構成の変化がフェニックス花火で、近年多かった5分バージョンの中盤の冗長が解消さた、3分バージョンに好感。フェニックス花火はワイド過ぎて、5分版では空間の隙間が多くて、火力が足りなく感じるので、マンネリ打破にも効果的だった3分版を支持したいです。
気になることは、青い鳥の設定は微妙。全プログラムで、型物花火が著しく少なかったので、フェニックス花火だけでなく、通常プログラムに紛らわせた方がアクセントになり良いのでは。
SNS等での一部の批判が強かった3分版だが、火力を上げて凝縮したことを前もって説明すれば、批判を抑えられたのでは。情報社会なので、公表の大切さを理解してほしいです。

故郷はひとつ(マルゴー)

八方咲からのスライドリングの連発がハイライトで、昨年と構成が大幅に変わった〈新たな試み〉に好感だが、これまでの「故郷はひとつ」プログラムのオールタイムベストである2018年版(マルゴー)に比べると、色彩の豊富さ・シークエンス・構成に若干の物足りなさも。2018年版の空一面に広がる、情緒が滲みでる「小割り」のような花火をもう一度見たいです。 スタート時の曲と花火の開始のズレ(?)や、曲が終了後のミスは、チャレンジ精神豊富なマルゴーさん故にサプライズ演出に変調することにも。
ミアモーレプロジェクトが一段落したので、両日から開催から、1日に減らしたり、新たなミュースタ・プログラムを取り入れても良いのでは。

正三尺玉+ナイアガラ花火

三尺玉は、綺麗に開きましたが、5号・7号・尺玉・正三尺玉のシークエンスは、正三尺玉との火力との対比だと思うのですが、構成に疑問です。
綺麗に開いたせいか、いつもより色彩が濃い黄金色に感じて、とても綺麗でした。
長生橋とナイアガラ花火との相性も抜群に良いです。

米百俵花火・尺玉100連発

冒頭に質の高い玉をじっくり見せる構成は時間の使い方が上手く、情趣があるので間延び間が感じられずに好感。大まかなフォーマットは、プログラム開始から一緒だが、当初から完成度がずば抜けているのが凄い。今年は序盤の多重芯や多重芯変化菊もキマり、中盤の和火の和菊千輪も趣きを感じて、昨年に比べるとプログラムの完成度が上がって素晴らしいです。これまでの尺玉のみの構成から、ラストの「冠菊」と「トラ」との組み合わせは、プログラムの意義としては微妙だが、アクセントになっているので、これはこれで良いのでは。

長岡花火2018 8月2日 ベスト3

1位:天地人花火
2位:フェニックス花火2019
3位:花火「故郷はひとつ」
4位:米百俵花火・尺玉100連発<

概要

日時

2018年8月3日(金)

観覧者

52万人(主催者発表)

観覧場所

右岸(長岡駅側)ベンチ席・D

転向

・天気:晴れ
・風:約0.5~2(m/s) 北北東 ※風は公式発表でなく体感です