新潟空港への新幹線乗り入れ 事実上の先送り

新潟空港への新幹線乗り入れはならず(新潟県)| テレビ新潟

新潟空港へのアクセスをどう改善するか話し合いを進めてきた協議会が、30日、結論をとりまとめた。
空港への新幹線の乗り入れについては、「整備着手を判断できる状況にない」として、現時点での整備には否定的な方針を示した。

会議には、米山知事や新潟市の篠田市長、経済団体や国の関係者が出席した。
協議会では、ことし5月からワーキングチームなども設置して検討を進め、中でも新潟空港への新幹線や在来線乗り入れの可能性について結論が注目されていた。

JR新潟駅から上越新幹線を延伸し、新潟空港に繋げる案について、協議会は「非常に大きな効果が期待されるが、採算性を含め、確実性が高いとはいえない」と否定的な考えを示し、「バスの利便性向上など実現可能な施策を最大限行い、利用者増を図ることを目指す」としている。

もう一つ、在来線による新潟空港乗り入れについては、「建設費用は新幹線の乗り入れより安価だが、乗換えが生じるため、効果は限定的である」と評価した。

その上で、まずは新潟駅からの直行リムジンバスやタクシー、レンタカーなど、現在ある交通の利便性向上をはじめ、短期・中期的に実現可能な取り組みを総動員すべきとしている。

また、目標を短期・中期・長期の3段階に分けて整理し、短期的には「2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目標」に、駐車場料金の引き下げや無料化、タクシーの定額運行ルートの実現などを例にあげている。

また、30日は、路線ネットワークの充実や利便性向上を目指すために定めた県の新たな行動指針、「新潟空港の路線ネットワーク戦略」の概要も明らかになった。

それによると、2020年までの目標として、新潟空港の利用者数を現在より3割以上多い135万人に。また、1週間の航空便の数は、今より40便近く多い210便を目指すとしている。

その実現に向けた「5つの戦略」として、ハルビン線や極東ロシア線、また北京線などを充実させ、北東アジアの表玄関としての地位の確立を目指すこと。台湾や香港、東南アジア方面など、訪日外国人観光客の増加が見込まれる地域からの路線やチャーター便の誘致に力を入れることなどをあげている。

県では、今回示された結論や路線のネットワーク戦略について、12月議会の議論も踏まえ、年内に県の方針として発表し、今後の施策に反映させていく考えだ。

Posted by TeNYテレビ新潟 11/30 19:01