本展の見どころ | 新潟県立万代島美術館
①蜷川実花の世界を網羅して見られる!
新作を含む約480点の圧倒的な数量の作品により、平成27(2015)年現在の蜷川実花の全体像を紹介します。
②大規模な回顧展は5年ぶり!
平成27(2015)年は、蜷川が制作活動を始めて20年の区切りの年になります。
また、平成20(2008)年から平成22(2010)年にかけて国内巡回し大成功を収めた回顧展から5年を経過したことにもなります。
常に新たな世界を切り開き続ける創作活動がうかがえます。
③9つのパートで、9つの楽しみ!
会場は9つのパートで構成されています。
部屋ごとに展示の雰囲気をがらりと変え、次の部屋に行く期待感が高まります。
様々な側面を見せる蜷川実花の世界を堪能できます。
9つのパートで構成
1 Flowers (2015) 106点
生き生きとし、色彩に溢れる花の写真は蜷川の代表的なイメージ。
かつての国内巡回展の副題が「地上の花、天上の色」であったように、華やかで鮮やかな色彩の作品が、広々とした空間を埋め尽くす。
観客を取り囲む圧倒的な展示で本展の幕が上がり、至福の世界へと誘われる。
2 桜 (2011) 12点
2011年刊行の写真集「桜」から。
震災の年として記憶される2011年の春、蜷川は取り憑かれたかのように、桜を撮影し続けた。
1週間で2500カットにも及んだという。
3 TOKYO INNOCENCE (2013-2015) 78点、大判出力4点
2013年刊行の写真集「TOKYO INNOCENCE」を中心に近作まで。
アーティスト、デザイナー、アイドル、モデル、パフォーマー、ドラァグクイーン……。
過剰で過激な東京のアンダーグラウンド・カルチャーの、クレイジーで妖しげで、刹那的な輝きが充満する作品群。
4 PLANT A TREE (2011) 21点
2011年刊行の写真集「PLANT A TREE」から。
2010年春、目黒川の桜が川面に散る様子を3時間程度で撮りきったという。
「あの日にしか撮れない、その時にしか残せない、そんな写真になっている」と本人は語る。
移ろう時間の中にある、決定的な一瞬を封じ込めた写真。
5 Portraits (2002-2015) 84点
よく知られているアイドルや俳優たちが、様々な表情・姿を見せる。
被写体に媚びることなく、その魅力を最大限に引き出しながら、丁寧な作り込みで自分自身の作品としても見事に成立させている。
豊富なアイデアと巧みな演出力は、蜷川ならではのものだ。
6 noir (2010) 76点
2010年刊行の写真集「noir」から。光が明るいほど色彩は輝くが、光が強いほど影もまた濃く出る。
極彩色の世界に隣り合わせの暗部にも、蜷川は敏感に反応する。
黒の中に色を見て、色の中に黒を感じ取る、そうした感性が蜷川の作品に奥深さと強靭さを与えている。
7 noir/Self-Image (2010-2015) 48点+大判出力5点
8 Self-image (2013) 28点
2013年刊行の写真集「Self-image」から。初期から断続的に撮影されてきた黒白のセルフポートレイト。鮮やかな色彩を封印することで、「生身に近い、何も武装していない」作者自身が浮かび上がる。
2015年の原美術館での個展は、これらの作品群を中心に構成され、新境地を拓いた。
9 花火 (2014-2015) 12点
新作。移ろいゆくものに敏感に反応し、光と影の二面性に意識的な蜷川が、花火に目を向けるのは必然とも言える。
夏を彩る長岡の花火に触発されたこれらの作品は、冬の新潟で開催される本展に向けた蜷川の贈り物のようでもある。
・会期:2015年11月28日(土) ~ 2016年02月28日(日)
・開催時間:10:00~18:00 ※観覧券の販売は17:30まで
・休館日:11月30日(月)、12月14日(月)、12月28日(月)~1月2日(土)、1月12日(火)、1月18日(月)、2月1日(月)、2月15日(月)
Posted by 新潟県立万代島美術館