花火玉を担保に融資…北越銀、地場産業支援で | 読売新聞
北越銀行(本店・新潟県長岡市)は同県小千谷市の花火製造販売会社「片貝煙火工業」に、花火玉を担保にした融資を始めた。
同行は昨年からニシキゴイを担保にした養鯉業者への融資も行っており、「地場産業のブランド化を支援して地方創生につなげたい」としている。
土地や建物などの不動産の代わりに、商品や売掛金などの動産を担保に融資する「動産担保融資(ABL)」と呼ばれる手法を用いた。
新潟県内には全国的に有名な花火大会が多く、業者は県の観光で重要な役割を担うが、同行によると、売上代金の回収が秋口に集中するという。
それまでは入金がない中で原材料費や人件費などの支払いが先行し、資金調達が課題になりがちだ。
片貝煙火工業は1980年の設立。
花火の製造から打ち上げまで一貫して行い、「越後三大花火」にも挙げられる地元の「片貝まつり奉納大煙火」や「ぎおん柏崎まつり海の大花火大会」など、県内外の約30の大会に携わる。
85年には世界で初めて四尺玉の製造・打ち上げに成功、四尺玉は「世界一の大花火」として全国に名をはせる。
同行は花火玉の価値や販売先、在庫の管理状況などを評価して貸出枠を算出、ABLによる融資を決めた。
同社の本田正憲社長は「花火業者の土地は山間部にあり評価が低いので、担保が増えてありがたい。花火の伝統を残すため、光を当ててもらえた」と話している。
Posted by 読売新聞(YOMIURI ONLINE)