長岡花火2017 総評
総評 長岡花火2017
2日間とも、数々の花火を大いに堪能しました。
初日は、天地人花火以降の花火が煙で隠れて残念でしたが、
2日目は、風の速度と方角がよく、また雲一つないような晴天で、最高なコンディションで観覧できました。
両日を比べると、コンディションの違いもありますが、今年も2日目の花火の方が好きです。
花火プログラムの詳細については、下記のページをお読みください。
『長岡花火2017 8月2日の花火批評』はこちらから、▶長岡花火2017 花火批評(8月2日・初日)
『長岡花火2017 8月3日の花火批評』はこちらから、▶長岡花火2017 花火批評(8月3日・2日目)
長岡花火の凄さは、フェニックス花火・天地人花火・三尺玉のビッグプログラムの凄さは勿論ですが、火薬量(尺玉)の多さからなる、通常プログラムの迫力・質の高さも上げられます。
「尺玉〇〇発」のプログラム時の尺玉の種類は多様になり、質が向上しているので、尺玉を打上げているだけでも情趣あるプログラムに変わっております。
特に「多重芯変化菊」が例年よりも多い事は素晴らしいです。
昨年から特に、ビッグプログラム以外の構成にも力を入れており、花火大会全体のレベルが向上していて素晴らしい傾向だと思います。
今後の長岡花火について
今後の長岡花火の進化を考えると、「新たな取り組み」・「火力維持」・「質の向上」・「構成」に尽きると思います。
「新たな取り組み」は新ミュージック花火(以下ミュースタ)の採用が良いですが、何かを辞めないといけません。
辞める候補のミュースタは、市・運営・スポンサーが絡んでいるので難しいと思います。
「火力」は、これ以上望めないレベルにきておりますので、花火の「質」と「構成」の向上に期待したいです。
花火の質は、花火の形の綺麗さや色の閃光や、種類の豊富さの事です。
県内業者は、日本トップクラスの県外業者(野村花火・マルゴー)には花火の種類や質は劣りますが、ここ数年の技術の進歩も目覚ましく今後の向上も期待でき楽しみです。
最大の問題は花火構成です。
近年の県内業者は、花火構成を良く考えて新な取り組みし、長岡花火に対する意気込みを大いに感じます。
一方、県外業者の花火は抜群の安定感で綺麗な花火は惚れ惚れしますが、構成はほぼ同じで、花火の種類を若干変えているプログラムがここ最近数年続いております。
構成については、下記の「ビッグプログラムについて」を見てください。
長岡市長も変わり、長岡花火財団が設立した事もあり、今後の趣向の変化や決断に期待したいです。
来年の花火が待ち遠しいです。
今後のプログラムについて
ビッグプログラムについて
ビッグプログラムでは、「天地人花火」「この空の花」「故郷はひとつ」のミュースタ構成や花火の種類が年々類似してきました。
完成度を年々高めた先におさまったとも言えるかもしれませんが・・・。
野村さんの「天地人花火2017」と「故郷はひとつ2017」も構成と玉の種類の類似点が多過ぎます。
その為に、ミュースタ花火の核となるテーマが弱く、大げさに言うとある程度花火にあった曲なら何でも、構成や花火の種類が変わらなくても行けるのではないかという印象を受けます。
どうせなら思い切って、「天地人花火」は、時差式花火を排除して重厚な構成にして、「故郷はひとつ」は、時差式花火多めで、色彩豊富な構成にするなどの区別があっても良いのでは。
ミュースタなのに終盤錦冠連発や錦冠締めする構成も疑問です。
音楽を使わない通常プログラムの締め方で多いので、終了がわかりやすいミュースタは構成を考えるべきでは。
※冠締めについては下記の『通常プログラムについて』の「スターマインの構成」を見てください
曲が変わってもバリエーションが変わらなければ同じなので、構成を担当する役割分担も今後の花火業界には必要かもしれません。又は国内トップクラスの新しい花火師を招聘するしかないと思います。
そうは言っても、野村さんの花火は上質なので、例え構成が類似してもワイド幅を広げられれば印象が変わると思います。
終了20秒間を5箇所に増やして打上げても良いのでは。
天地人花火は、両日開催に戻してほしいと思っておりましたが、構成が同じであれば1日のままでよく、新プログラムや新たな県外の一流花火業者の採用を期待します。
「故郷はひとつ」と「米百俵花火・尺玉100連発」の選曲は花火に合わないと批判が多いです。
両方とも長岡市が絡んでいるので簡単に辞められない事は理解していますが、せめて両日から1日変更にできないものでしょうか。
以下はプログラムのマンネリ打破への提案です。
故郷はひとつ
・時差式花火や色彩豊富な花火構成にして、「天地人花火」・「この空の花」との差別化を。
・故郷はひとつを廃止して新プログラムを
・新プログラムは毎年曲を変え、1年ごとに選曲を「花火会社選曲」か「応募or提案」の交互制に
(応募制は数曲から選ぶ形にしないと花火と関連しない曲に決まる可能性があるので注意が必要)
フェニックス花火
・初日と2日目のプログラム内容の変更。
正三尺玉3連発
・1発目を「八重芯変化菊」or「三重芯変化菊」に変更。
天地人花火
・時差式花火の排除など、更なる重厚な構成に。
・協賛会社が増えた事もあり、花火の幅も100m位拡大し、「故郷はひとつ」との差別化を。
・終了20秒間のみ打上げ箇所を5箇所に増やして今まで以上に迫力あるエンディングに。
米百俵花火・尺玉100連発
・選曲を1日変更(両日変更を歓迎)
・選曲を毎年変更制に
・「この空の花」に選曲を変更
通常プログラムについて
近年、構成の変化や玉の質が著しく向上しており、県内花火師の努力の結晶です。
趣向を変えて良い方向に進んでいると思います。
「尺玉〇〇発」
「尺玉〇〇発」のプログラムは、尺玉の種類と質に比例します。
プログラム内容やレベルは向上していて、マンネリが少なくなり情趣あるプログラムに進化して楽しいです。
スターマインの錦冠締め
通常のスターマインは、序盤・中盤に玉の種類や色を豊富にして、最後に錦冠連発するプログラムが多いです。(今までは序・中盤にも錦冠を多用)
これはスポンサーの意向もあると思いますが、錦冠連発締めするのは、スターマインの終了がわかりやすく迫力や残像もあり拍手が大きいのが要因ですので構成が偏るのは仕方ない事だと思います。(会場では2尺玉で締めるよりも錦冠連発の方が拍手は大きい)
終了方法の提案として、柏崎花火のスターマイン終了の花火は、「笛」の音(花火が打上げられ、開くまでに奏でる「ヒュ~」という音)でプログラム終了をわかりやすくしているので、錦冠締め以外の構成の参考になると思います。
スターマインの構成
スターマインの構成は、玉とトラの兼ね合いも重要になると思います。
数年前までは、通常プログラムにトラ(虎の尾)は殆どなく、Vトラやクロス打ちは、通常プログラムでは禁止されていると思っていました。(トラ斜め打上げを禁止されている県もあるらしい)
トラは、地面から花火の開花までの「間」を演出する花火だけでなく、中盤等の(間延びする)時間を埋める「間」にも有効ですので、今後の質の向上と使い方にも注目したいです。
有料席の座席について
右岸ベンチ席
右岸ベンチ席のAとGでは花火への距離は違い、見え方は全然違いますが価格は3,000円で一緒です。
大手大橋側のベンチ席(右岸スポンサー席の後ろ)の価格は5,000円位に上げた方が良いと思います。
ベンチ席は、スポンサー席にはない高さがありますので花火を見やすく気に入っています。
また、大手大橋側は大半の花火が正面に見える最高な場所ですが抽選なので運が必要です。
良い席は今の長岡花火の価値と価格が釣り合っていないので、オークション等で通常より高額で転売されています。
適正価格を見直すうえでも、価格上昇は必要だと思います。
マス席
平日開催時に売れ残るマス席の対策として、マス席の2・3人席の設置。
(花火・イベント・観光等の一緒に行く人数は年々減っているそうです)
長岡花火2017 ベスト5
1位:天地人花火
2位:故郷はひとつ(野村花火)
3位:この空の花
4位:故郷はひとつ(マルゴー)
5位:フェニックス花火2017
長岡花火2017 構成が良かったプログラム
1位:米百俵花火・尺玉100連発
2位:ナイヤガラ超大型スターマイン
概要
日時
・2017年8月2日(水)
・2017年8月3日(木)
観覧者(主催者発表)
・合計:103万人
8月2日(水):52万人
8月3日(木):51万人